- 共感力がない人の特徴や心理的背景を知りたい
- なぜ共感力がない人が多いのか、その原因を知りたい
- 共感力がない人とどう接するか、対処法を知りたい
辛い人間関係にさよなら。共感力アップで未来が変わる
コミュニケーションを深めるなかでは、話し方や聞き方だけでなく共感力を高めることも大切です。共感力がないと、
- 信頼関係を築けない
- 話し相手から信頼してもらえない
- コミュニケーションに問題が生じやすい
などの障害が起きてしまいます。
きちんとコミュニケーションは取れているはずなのに、なかなか円滑なやり取りができないと感じている方は、共感力が不足している可能性があります。
本記事では、共感力がないとはどのような状態を指すのかを説明したうえで、共感力がない人の対策を解説します。
今までよりもさらに人間関係を円満にしたい、改善したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
共感力とは何か
共感力とは、相手の意見に寄り添える力のことを意味します。相手の立場になって物事をとらえることができ、
- 考え方
- 喜怒哀楽の感情
- 置かれている立場
などに寄り添える人は、共感力が高いといえるでしょう。
共感力は、さらに細かく分類すると認知的共感力と情動的共感力に分けることが可能です。認知的共感力は相手の立場になって物事を考える力をいいます。
相手の状況を正しく理解して、自分がその立場だったらどう思うか?を考えられるため、より親身に話を聞くことが可能です。
情動的共感力は、相手の感情を自分の感情として考える力のことです。とくに落ち込んでいる相手への共感、喜んでいる相手への共感など、感情に寄り添えるかどうかもコミュニケーションにおいては大切です。
共感力と似た言葉に協調性やコミュニケーション能力がありますが、これらは微妙に違うので混合しないように注意しましょう。
協調性とは、相手に合わせるだけでなくお互いに譲りあって協力することを意味し、共感力は自分が相手に寄り添うことを意味します。
コミュニケーション能力は、人とコミュニケーションを取るなかでの共感力や理解力などを総合的にまとめたものです。
なぜ共感力が必要なのか
コミュニケーションにおいて、共感力は相手との信頼関係を築くために大切です。
共感力が高いと相手に「この人は私の話をきちんと聞いてくれている」と思ってもらえます。その結果、より深い部分まで話し合うことができ、良好な信頼関係の構築に役立ちます。
ビジネスシーンにおいてもコミュニケーションは欠かせません。共感力が高いと、以下のようなメリットがあります。
- 部下から相談してもらいやすくなる
- 取引先へ適切な提案ができるようになる
- 上司とも信頼関係を築き上げながら一緒に仕事ができる
反対に、共感力が低いと「この人に話しても聞いてもらえない」と思われて、相談されなくなる、質問してもらえなくなるなどの弊害が考えられます。
営業など、取引先とのやり取りが多い仕事では、共感力が低いと適切な提案ができず、成績が伸び悩む原因にもなります。
きちんとコミュニケーションを取れているはずなのになかなか結果が出ない、人と信頼関係を築きにくいと感じている人は、自身の共感力にも目を向けてみましょう。
共感力がない人の特徴とは
共感力の有無は自分ではなかなか判断しにくいですが、共感力がないとはどのような状態なのか、その特徴をチェックしてみましょう。
共感力がない人は、他人との距離感がうまく取れていなかったりコミュニケーション自体に問題があったり、さらに感情を共有しにくいなどの特徴があります。
自分に当てはまる点はないか考えてみてください。分かりにくい場合は、信頼できる同僚や友人などに、自分が以下に当てはまっていないか聞いてみることもおすすめです。
- 他人との距離感
- コミュニケーションの問題
- 感情の共有が困難
- 反応が薄い
- 自己中心的な思考
他人との距離感
他人との距離感を見誤りやすい人は、共感力が低い傾向にあります。相手の感情や意見に対して同調できないため、コミュニケーション自体が円滑にできていないケースです。
相手がもっと親しくなりたいと思っているのにそれを判断できず距離を置いてしまったり、反対に必要以上に踏み込まれたくない部分にまで踏み込んでしまったりすることもあるでしょう。
他人とどのような距離感でいたいかは人や立場によって大きく異なります。
その都度コミュニケーションを取りながら判断する必要がありますが、共感性が低いと相手の考えに合わせにくく、距離感を間違えてしまいます。
たとえば、
- 会話が一方的になる
- 上司にカジュアルすぎる態度を取ってしまう
- 部下の仕事だけでなくプライベートにも介入しようとする
などによってトラブルになることが考えられます。
共感力がない方は人との会話のなかでも相手の話題、相手の意見に興味を持つことが少なく、自分の考えや勘違いだけで行動してしまいがちです。
そのため相手は感情を共有できず、ストレスに感じます。自然と距離を置かれるようになり、人間関係が疎遠になることもあるでしょう。
コミュニケーションの問題
コミュニケーションの取り方に問題がある可能性もあります。
共感力が高い人は、他人の喜びや幸せだけでなく、怒りや悲しみといった負の感情も自分のものとして受け止められます。
その結果、悩み相談に対してただ客観的なアドバイスをするだけでなく、気持ちに寄り添った言葉を送ることができるでしょう。
- 「いつも安心感がある」
- 「またこの人に相談してみよう」
- 「この人は私の気持ちを理解してくれる」
と思ってもらえれば、より良好な人間関係を築きやすくなります。
反対に、共感力が低いと相手の感情を自分のものとして考えられません。感情を共有できないと、ちぐはぐな態度を取ってしまったり、相手が求めていない客観的なアドバイスをしたりすることもあるでしょう。
共感力が低い人は話している相手だけでなく周囲の人に興味がない、話題のトピックにも関心が低いなどの特徴があります。
「それを聞いて自分がどう思うか」に対して深く考えないため、相手の感情に寄り添いにくくなっているかもしれません。
感情の共有が困難
共感力が低い人は感情の共有が難しく、他人との関係性が表面的なものになってしまいがちです。
コミュニケーションでは、言葉のやり取りだけでなく表情やしぐさ、顔色から読み取れる情報が非常に多く、これらを総合的に判断します。
相手が
- どのような感情なのか
- 何を考えているのか
- 何を求めているのか
を判断して適切な反応をする必要があります。共感力が低いと相手の立場になって考えられず、態度などからも感情を読み取れません。
その結果「この人はきちんと私の話を聞いてくれているのかわからない」「考えが読み取れず怖い」と思われて、関係性が深まりません。
反対に共感力が高い人は相手と感情を共有することが非常にうまいです。相手の話の内容に合わせて「それは大変だったね」「おめでとう!本当に嬉しい!」と感情に寄り添った反応ができます。
その結果、より親しみを感じてもらいやすく、人間関係も深まりやすくなります。「この人と話していると心地いい」と感じる人のリアクション方法などを参考にしてみてもいいでしょう。
反応が薄い
相手の話に対して反応が薄い人は、共感力が低い傾向にあります。
相手の感情に共感できないため相手がどんなに興奮していても理解できず、平坦なリアクションで済ませようとしてしまいます。
話している相手からすると、どんなに熱心に話をしても反応が薄いと自分に無関心な人という印象を抱く原因になります。
自分の話がつまらないのかもしれない、私に興味がないのかもしれないと思われて、自然と話しかけられる機会が減ったり、深い話をしてもらえなくなったりすることもあるでしょう。
リアクションがいつも「へえ」「そうなんだ」程度で終わってしまう、その後の相手との会話が盛り上がらないと感じている方は、反応の仕方を考えてみましょう。
自分が思っているよりも大げさなくらいにリアクションを取っても、相手にとっては感情に寄り添ってくれたと思ってもらえるケースが多いです。
相手の言っていることを繰り返したり、「嬉しい」「楽しい」「悲しい」など、感情を直接言葉に出してみるのもいいでしょう。
自己中心的な思考
自己中心的な思考をしすぎる人も、共感力が低い傾向です。そもそも共感力が低い人は相手の立場で物事を考えられないため、自分の視点だけで物事を判断してしまいます。
その結果、相手がどんなに感情的に訴えてきていても「自分はそうは思わない」と跳ね返すような態度を取ってしまいます。
ビジネスシーンでは自分の意見をきちんと持つことは大切ですが、そればかりに固執すると適切なコミュニケーションを取れなくなるので注意しましょう。
まずは相手の話をよく聞き、客観的なアドバイスを求めているのか、感情に寄り添ってくれることを求めているのかを判断する必要があります。
後者の場合はいったん相手の立場になってその状況を思い描き、自分だったらどう思うかを答えてみましょう。相手の立場になることで、自己中心的な考え方から脱却しやすくなります。
ついいつも自分の主張ばかりしてしまう方は、相手の話から状況をよく判断することも意識してみましょう。
共感力を向上させる具体的な方法
共感力を高めるための具体的な方法を見ていきましょう。
共感力はすぐに高められるものではありませんが、以下の点をよく意識することで、よりコミュニケーションを円滑に取りやすくなります。
なかなか人間関係を深められない、表面的な関係になってしまいがちという方は、以下の5つのポイントを参考にしてみてくださいね。
- 相手の話をしっかり聞く
- 非言語コミュニケーションを活用する
- 自己開示する
- 質問をする
- ジャッジせず相手の気持ちを理解する
相手の話をしっかり聞く
まずは相手の話をしっかり聞くことから始めましょう。
相手の話を聞かなければ話の内容に共感することはできません。とは言っても、コミュニケーションを取るうえで毎回きちんと話を聞いているはずなのに…と感じる方も多いですよね。
その場合、言葉の表面だけを読み取って返事をしていないか、表情やしぐさなど非言語のコミュニケーションもきちんと読み取れているかなどを改めて考えてみましょう。
また、適当に返事をするのではなく、話の内容をふまえて一度自分が相手の立場だったらどう思うかを考えることも大切です。
表面的に「それは大変だったね」などの共感の言葉を返すことは簡単ですが、相手の立場になることでより深く共感していることを伝える言葉を選べます。
共感力が低い人は相手の話を聞かずに自分の話をしてしまう、リアクションや反応が薄いといった特徴があります。
相手の話をより理解したいという姿勢でしっかり聞けば、これらの特徴も改善しやすくなるでしょう。
非言語コミュニケーションを活用する
共感力を高めるには、非言語コミュニケーションを活用することが大切です。非言語コミュニケーションとは、表情、顔色、ジェスチャーなど、言葉以外のコミュニケーション方法です。
「たいしたことないよ」と言っている相手であっても、表情や顔色をきちんと読み取ることができれば、本当に問題がないのか、実は悩みがあるのかを理解できます。
共感力が低い方はこの非言語コミュニケーションを活用できていないケースが多いです。
相手の言葉の表面だけを読み取って反応するので、察してほしいと思っていた相手は「分かってくれなかった」とがっかりしてしまいます。
とくに日本人は本音と建前を使い分ける傾向にあります。ビジネスシーンにおいてもあまり感情的になりたくないと考えている方は多いため、表面的な言葉だけでは分からないことは多数あります。
仕事をしながら、スマホを見ながら話を聞くくせがある方は、一度手を止めて、相手と向き合って会話をすることを意識しましょう。
目から取り入れられる情報が増えるだけでも、よりコミュニケーションを取りやすくなりますよ。
自己開示する
共感力を高めるには、自己開示も大切です。自己開示とは、第三者に自分の内面をさらけ出すことです。
共感性が低い人は自分の感情を表に出すことに慣れていない、苦手な方も多いため、自己開示をすることに抵抗を感じるかもしれません。
ですが、自己開示をすることで相手もより心を開いてくれる可能性は高まります。自分がどんなときに楽しいと感じるか、悲しいと感じるかを、直接口に出してみましょう。
自己開示をすると相手に悪く思われないか不安という方もいますよね。自己開示は、自分のプラスの感情だけでなくマイナスの感情もさらけ出さなければなりません。
会社や取引先などのビジネス上での関係で、自分の弱みを知られることが嫌だと感じる方も多いでしょう。
その場合はすべてさらけ出す必要はありませんが、完全に隠すのではなく態度や表情で主張してみることもおすすめです。
部下が仕事に失敗して落ち込んでいたら「私も同じような経験があってすごく落ち込んだよ」と打ち明ければ、「この人にもう少し相談してみよう」と思ってもらえます。
相手に寄り添いつつ、自分の感情を隠さないことも意識しましょう。
質問をする
質問をすることで、共感力を高めていくことも可能です。
相手はなぜそう思ったのか、どのようにその状況に陥っているのかなどを質問して具体的な状況がわかるようになれば、より相手の立場になって考えやすくなるでしょう。
質問をする際はとくに相手の感情に注目した質問内容を考えることがおすすめです。
- 「そのときどう思った?」
- 「どうして悲しいと感じているの?」
- 「顔がにやけているけど嬉しいことあったの?」
など、感情に焦点を当てた質問をすることで相手も答えやすくなり、こちらも理解しやすくなるでしょう。
このとき、状況など客観的な質問ばかりをしてしまうと相手の感情がわかりにくく、共感しにくくなってしまう可能性があります。
質問内容を考えるのは最初は難しいかもしれませんが、相手の話に共感したいという気持ちをしっかり持って相手の話を聞けば、自然と何を質問すればいいか、コツをつかめるようになるでしょう。
ジャッジせず相手の気持ちを理解する
相手の話から勝手に内容をジャッジせず、気持ちを理解するよう努めることも大切です。
「この状況だったらこう思うに違いない」という自分の偏見だけでリアクションを取ると、相手の受け取り方とズレが生じて適切なやり取りができなくなる可能性があります。
とくに落ち込んだり、怒ったりしている相手に対して適切な共感ができないと「この人に話しても無駄」と思われてしまうでしょう。
自分で勝手に判断して反応してしまう自覚がある方は、上記で紹介した質問も会話のなかに取り入れてみてください。
質問を繰り返すことで相手の言いたいことや感情がわかりやすくなり、決めつけずに相手に寄り添ったリアクションを取れるようになります。
効率よく共感力を向上させる書籍や話し方教室
共感力は簡単に高められるものではありませんが、効率的に向上させる方法もあります。
話し方の分野で実績がある人が書いたビジネス本を読んで共感するコツをつかむ、話し方教室に通って適切なコミュニケーションの取り方を学ぶといった方法から、自分に合う方法を探しましょう。
おすすめの話し方のビジネス本
共感力を高めるために役立つビジネス本を3冊紹介します。
手軽に読んでスキルを高めたいと考えている方は、以下の本もチェックしてみてくださいね。
- 人は聞き方が9割
- 共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得
- 共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る
人は聞き方が9割
話し方ではなく聞き方に特化したコミュニケーションスキルが身につく1冊です。
ベストセラーの「人は話し方が9割」に続く1冊で、より共感力などにスポットを当てた内容になっています。
自分がコミュニケーションが苦手なのは話下手だから…と諦めている方も、聞き方を改善するだけでより円滑なコミュニケーションを取れるかもしれません。
共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得
IT企業勤務から、代々続く魚業界へ転身した女性社長が提案する共感ベース思考がわかる1冊です。
ビジネスに欠かせないチームの作り方や、自分に自信をもって仕事をする方法なども解説しており、ビジネスで役立つ情報が満載です。
著者は自身の共感力やコミュニケーション方法についてYouTubeなどでも発信しているので、そちらもチェックしてみてくださいね。
共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る
SNSで若者から絶大な人気を集めているゆうこすさんが執筆した1冊です。
とくにSNS発信での共感力の大切さを紹介しており、相手に共感する力が高まるだけでなく、自分の見せ方、ブランディングの仕方なども学べます。
ビジネス本は堅苦しい印象があるという方でもさらりと読める読みやすい内容なので、手軽な1冊を選びたい方にもおすすめです。
おすすめの話し方教室
効率的にコミュニケーション能力、共感力を高めたい方におすすめなのが、話し方教室です。
実際に講師や受講生とやり取りをしながらスキルを身につけられるので、ビジネスシーンにおいてもとっさに学んだことを実践しやすくなります。
一人ひとりによって違う共感力の低さの原因を指摘してもらえるので、ビジネス本を読むよりも具体的な改善策がわかるのも魅力です。
話し方教室は全国各地で開催されています。オンライン対応されているスクールも多いため、自宅から通いやすく無理なく続けられますね。
なかでもおすすめの話し方教室は以下のとおりです。
全国展開のシアーミュージック、東京都内で展開しているBeeミュージックは多くの人が通いやすく、コースの質も高いのでおすすめです。
近くに教室がない、仕事に活かせるコミュニケーションスキルを身につけたい方におすすめなのは、コミュトレです。
これらの話し方教室は、すべて無料体験レッスンが実施されています。プロの講師から客観的な意見が欲しい、自分に合った教室を見つけたい、という方はぜひ活用しましょう。
さらに、各スクールの料金やコース、特徴など、詳細を知りたい方は以下の記事でチェックしてくださいね。
今日からあなたも共感力を身につける
共感力はビジネスにおいて極めて重要な要素です。
社内の同僚や取引先の発言に共感することで、信頼関係が深まり、チームワークが向上し、個人の成果も向上するなど、多くのメリットがあります。
自分が共感力の低い特徴に当てはまると感じた方は、本記事で紹介した5つの改善策を試してみてください。
- 相手の話をしっかり聞く
- 非言語コミュニケーションを活用する
- 自己開示する
- 質問をする
- ジャッジせず相手の気持ちを理解する
共感力だけでなく、総合的なコミュニケーションスキルを向上させたい方には、オンライン専門のビジネススキルスクール「コミュトレ」もおすすめです。
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【Q&A】共感力に関する疑問・質問
共感力を鍛えるために知っておきたい疑問や質問と、その回答を解説します。