- お願いごとすることに苦手意識を持っている
- なぜお願いごとしても断られてしまうのか?
- 自分のお願いごとを実現させる方法を知りたい
部下に残業をお願いしても断られて帰ってしまうから、いつも私が残業してしまう羽目になるよ…
一人で仕事を抱えたままでは、自分で自分の首を絞めることになるよ。
まずは相手の機嫌を悪くせず「イエス」に変える話し方を学んでいこう。
伝え方の技術であなたのお願いを実現させる
ディレクター業の仕事は納期が厳しく、それに間に合わせるために残業続きになってしまうこともあります。ディレクターだけでは仕事を進めることができず、まわりの技術者との協力も必須です。
- 上司に提案をしても却下されてしまう
- お願いごとを受け入れてもらえても気分を悪くさせてしまう
- 新たな依頼や修正、残業を技術者に依頼しても協力してもらえない
という方は、あなたの仕事ぶりが悪いのではなく話し方に原因があるのかもしれません。
相手の機嫌を悪くせずにお願いを受け入れてもらうにはどんな話し方をして、自分の話し方のどの部分を治せばいいのでしょうか?
今回は100万部を突破したロングセラーの名著「伝え方が9割」より、伝わる話し方を習得するために心得ておきたい好印象な話し方のテクニックを解説します。
伝わる話し方には技術がある
伝え方や話し方は身に染みついたもので変えられないと思っていませんか?
- 同じ内容の話を伝えようとしているのにうまく伝わらない
- 他の人ならOKをもらえるようなお願いでも断られてしまう
- お願いしても相手の言動が冷たい
思ったようなリアクションを得られないという経験がある方も多いでしょう。
これらはあなたの人格や仕事ぶりではなく、あなたの伝え方に原因がある可能性もあります。伝え方が悪いと相手の心に響かず、本当に伝えたいことも伝わりにくくなってしまいます。
ただ伝えるだけ、話すだけというのは簡単なことに思えますが、実は非常に複雑です。ちょっとしたニュアンスや強調するポイント、響き、伝えるタイミングなど、気にすべきポイントはたくさんあります。
うまく伝えられるコツを知り、日々コツコツとトレーニングを積み重ねることで伝え方を改善することは可能です。
人にきちんと伝わる話し方を習得すれば、
- 要望が通りやすくなる
- 仕事をスムーズに進められる
- 会議で意見が通りやすくなる
- 昇格につながる
など、あなたの人生を切り開く力になるかもしれません。
なぜ伝える同じ内容でも「イエス」か「ノー」に変わる?
同じ内容を伝えても「イエス」をもらいやすい場合と「ノー」しかもらえない場合があります。その違いについてまずはきちんと理解しましょう。
たとえば、あなたの上司に
納期に間に合いそうにないから残業してくれる?
と頼まれたら、あなたはどのように感じますか?
- 自分の利益が見えてこない
- 「やらされている」感覚が生まれる
- 「なぜ自分なのか」相手の心を読み取りにくい
など、お願いごとを断りたくもなりますよね。
もちろん頼む人と頼まれる人の上下関係によっては「イエス」をもらえる可能性も高いですが、それは頼まれる人の本心からのイエスではありません。
どうせお願いをするのであれば、こちらも相手も気持ちよくやり取りできるようにお願いしたいですよね。お願いする機会が多ければ多いほど、無理なお願いは相手にとってストレスになり、あなたへの印象も悪くなってしまいます。
印象を悪くせず、むしろ「この人のお願いなら積極的に聞いてあげたい」と思わせるように、このような伝え方に変えましょう。
いつもがんばってくれてありがとう。山田さん、納期まで時間がないから今日はもう少しがんばってもらえる?
といった伝え方があります。これにはいくつかポイントがあります。
まずは相手に感謝の気持ちを伝えること。こちらが相手に感謝している、よく思っているという印象を与えると、相手も心を開きやすくなる、要求を受け入れやすくなります。
自分のがんばりを評価してもらっていると感じさせることもよいアプローチ方法の一つです。
もう一つは相手の名前を会話の中に入れること。ただ「これをしてください」言うよりも、「○○さん、これをお願いします」と伝えた方が相手によりしっかり要求が伝わりやすくなり、また相手の気分を害することも少なくなります。
伝え方の基礎を要約!「イエス」に変える3ステップ
なかなか人から「イエス」をもらえない、嫌な顔をされてしまうという方のために、「ノー」を「イエス」に変えるためのステップを紹介します。
いきなり上手な伝え方をマスターするのは難しいですが、話し始める前にこれらの点を意識するようにしてみてくださいね。
- 自分の頭の中をそのままコトバにしない
- 相手の頭の中を想像する
- 相手のメリットと一致するお願いをつくる
【STEP1】自分の頭の中をそのままコトバにしない
まずは自分の頭の中をそのまま言葉にしていないか思い出してみてください。
- 納期がもうすぐだから
- 仕事が遅れているから
- 仕事のやり方に不満があるから
- 自分の利益になるから
など、思ったことをそのまま口に出すと相手に不快感、不安感を与えてしまう可能性があります。
話し始めに悪い印象を持たれると、その後の要求にも悪い印象を持たれてしまいます。
さらに、思い浮かんだことを次々に口に出すことで結局何が一番大切なのか、何を伝えたかったのかがあいまいになってしまいます。
結果要求が相手に伝わりにくかったり、重要度が低いと判断されてしまったりします。
話し始める前に一度頭の中でストーリーを作り、話の順番を組み立てましょう。そうすることでより伝えたいことをピンポイントで伝えられるだけでなく無駄を省くことができます。
【STEP2】相手の頭の中を想像する
次に、相手の頭の中を想像しましょう。自分が相手の立場だったらどう思うかを考えるとイメージしやすいです。
たとえば、もうすぐ終業時間なのに新たに仕事を依頼したい場合、相手は終業後のスケジュールをすでに考えているかもしれません。
そんなときにただ仕事を放り投げるだけでは、相手にとって予定が狂いストレスになってしまいます。
「こんな時間にお願いして申し訳ないんだけど…」と前もって謝ったり、「〇日までに仕上げてくれればいいから」と譲歩したりすることで、よい返答をもらいやすくなります。
交渉をする際は、その交渉を受け入れることで自分や自社にどんな利益が出るのか考えているかもしれません。
商品やサービスの紹介を淡々とするだけでなく、相手にとってどんなメリットがあるのかを丁寧に説明することで相手も受け入れやすくなるでしょう。
【STEP3】相手のメリットと一致するお願いをつくる
先ほども紹介した通り相手のメリットを考えてお願いをすることは大切です。
「〇〇の資格取得にも役立つ仕事なんだけど、やってみない?」とお願いすれば、相手のキャリアアップにもつなげられます。
「A社はこのサービスを契約することで売り上げを〇%伸ばしました」と具体例を挙げてわかりやすくメリットを説明するのもおすすめです。
いずれにしても、
- 自分からの一方的なお願い
- 自分が楽をしたい
- 自分の利益を得たい
だけのなのが透けて見えるようなお願いは「イエス」をもらいにくいです。
その要求を呑むことで、相手はもちろん自分にもメリットがあるということをしっかり伝えることで「イエス」をもらいやすくなるでしょう。
「イエス」に変える7つのテクニック
前述の3ステップを実践することが基本です。
さらに伝え方次第で、自分の要望を相手に聞き入れてもらいやすくなります。ビジネスシーンではとても重要なことですし、日常生活で家族や友人、恋人と話すときにも有効です。
相手の返事をノーからイエスにするための7つのテクニックを解説するので、ぜひ取り入れてみてください!
- 相手の好きなことを交える
- 選択の自由を与える
- 相手の認められたい欲を満たす
- あなた限定であることを明確にする
- チームワーク化して要望を伝える
- 嫌いなことを回避させる
- 感謝の気持ちを伝える
相手の好きなことを交える
要望を伝えるときは、自分のことだけでなく相手のことを考えることも大切です。
たとえば、気になっている相手をデートに誘うときのことを思い浮かべてみましょう。
ただ「デートしてください」と伝えるだけでは、相手にとってのメリットやあなた自身がしたいことが見えてきにくく、断られてしまう可能性があります。
相手がスイーツ好きならば「美味しいスイーツのお店に行きませんか?」と誘ったり、動物が好きなのであれば「動物園に行きませんか?」と具体的に相手にとって興味があることを交えてみましょう。
選択の自由を与える
そもそも相手にイエスとノー以外の返答をもらうようにするという方法もあります。
「デザートはいかがですか?」と質問すると、断られてしまった場合に次の話題を探しにくくなってしまいます。会話もそこで終了です。
「フルーツタルトとマンゴーアイス、どちらかいかがですか?」という風に、デザートはある前提で、二択から選ばせるような提案方法をしてみてください。
これなら相手も返事をしやすく、さらにどちらの選択肢を選んでも「フルーツは何が好きですか?」「暑くなってきたしアイスもいいですね」など、次の会話につなげやすくなります。
相手の認められたい欲を満たす
人は誰かに認められていると感じたときに嬉しいと感じます。相手にとって負担となるお願いをする場合は、そんな心理を利用したお願いの仕方をするのも大切です。
ただ「残業してください」と仕事を渡すだけでは、他の誰でもいいのか、自分が早く帰りたいからなのではないかなど、不信感を持たれてしまいます。印象も悪く、断られてしまう可能性もあります。
「あなたの企画書がとても良かったから今回もお願いできますか?」のように、
- どうしてこの要望を伝えているのか?
- 相手のどんなところを認めているのか?
- なぜその人にお願いするのか?
を具体的に交えて話すことで、相手の気分をよくして「イエス」をもらいやすくします。
あなた限定であることを明確にする
相手にとって負担となる、ノーという返事をもらいやすい要望でイエスをもらうためには、その人限定であることを明確にしなければなりません。
自分がこの要望を聞き入れる必要があると強く感じさせることができれば、イエスも自然ともらいやすくなります。
ただ「会議室に来てください」と押しつけるのではなく、「現状を打破するためにはあなたの意見がどうしても必要なので会議に参加してください」と伝えれば、要望もより一層聞き入れてもらいやすくなります。
チームワーク化して要望を伝える
その要望を聞き入れることで相手一人だけが負担を被るような言い方はノーをもらいやすいです。
自分や他の人と一緒に協力してほしい、という伝え方をすることで、相手は協力しよう、力を合わせてがんばろうと思ってくれます。
飲み会の幹事をただ押しつけるのではなく、「一緒に幹事をしよう」とチームとしてお願いすることでイエスをもらいやすくなるでしょう。
具体的な提案をしつつ、他の人は何をしてもらっているかを伝えたり、その人の得意なことを踏まえた上で伝えるのも有効な手段です。
嫌いなことを回避させる
要望を受け入れないと相手にとってどんな嫌なことがあるか、そしてその嫌なことを回避するにはどうすればいいかを提案するという方法もあります。
ただ「芝生に入らないでください」と注意するよりも、「芝生に入ると農薬の匂いがつきます」と伝える方が、相手が芝生に入ることのデメリットを考えてそれを回避するように行動してくれます。
伝え方を間違えると脅迫のように取られてしまう可能性もありますので、あくまで丁寧な考え方を心がけるようにしてください。
感謝の気持ちを伝える
ただ要望を伝えるだけでなく、それについて感謝していることも一緒に伝えましょう。
電車のモックアップには「いつもマスクを付けてくれてありがとう」、お手洗いには「いつも綺麗に使ってくれてありがとう」など、感謝を伝えることで「守らなきゃ」と意識が働きます。
しかし、要望ばかりを伝えていると「やってもらって当然と思われているのではないか」と感じられてしまいます。まずは些細なことでも感謝の気持ちを伝えるようにしてください。
「また次もお願いします」とだけ言うのではなく、「また次もお願いします。今回もありがとうございました」と付け加えるだけで、相手からの印象は大きくかわります。
要望を伝えるときは感謝の気持ちを持ち、それを相手にわかるよう伝えることも忘れないようにしましょう。
あなたのお願いを実現させるには?
上手な伝え方の7つのテクニックを紹介しました。
お願いをしていつもイエスをもらっている人は、上記のような共通の伝え方をしている可能性が高いです。無意識にできている人もいれば、きちんと伝わるポイントを熟知した上で伝え方を考えている人もいます。
なかなかイエスがもらえずに悩んでいる方は、自身の伝え方も意識してみてください。これまで不可能だった「ノー」もコトバのチカラで突破できるはず!
あなたのお願いを実現させるための答えは、あなたの中ではなく相手の中にあります。相手がこちらの要求を呑むかどうかが重要であり、それを左右するのがあなたの伝え方なのです。
相手の気持ちを変えるのは大変なことではありますが、上記で紹介したようなちょっとしたコツを抑えることでより「イエス」をもらいやすくなります。
まず話す内容を自分の中で整理し、相手の気持ちを考え、さらに相手のメリットを伝えた上でお願いをするといった基本の伝え方をマスターしていきましょう。
伝え方が9割!伝わる話し方で人間関係を改善しよう
話し方の技術によって、お願いごとを「イエス」に変える話し方を紹介しました。
ビジネスシーンにおいては、上司や部下にお願いしなければならない場面がたくさんあります。
- 上司に意見が通らない
- 部下に指示を出すのが苦手
- なかなか思うような返事がもらえない
場合、伝え方を考える必要があります。
自分の頭の中であれをしてほしい、これをしてほしい、現状がどうなっていて何が問題なのかなど、伝えるべき内容がきちんとまとまっていないと、相手に伝えたところで大切なポイントは伝わりません。
頭の中にあることを次々と口に出すのではなく、一旦落ち着いて頭の中を整理しましょう。この3ステップを活用して、良好な人間関係を築くきっかけになれば幸いです。
順序立てて相手に一つずつ話すことで、相手には何が問題なのか、何をどうしてほしいのかをきちんと伝えられます。
相手の頭の中を想像することも大切です。自分の伝えたいことだけで精一杯になるのではなく、相手がこのお願いをされてどう思うのか、この言い方をされてどう感じるのかを考えてみましょう。
自分が言われて嬉しい伝え方や、気持ちよく相手の要望を聞いてあげようと思える伝え方を想像することで、伝え方はがらりと変わります。
仕事の依頼をするときなどは、相手も忙しい可能性があります。そんなときに一方的に要望を押し付けてもいい返事はもらいにくいです。
そんなときは相手のメリットも一緒に伝えるようにしてみてください。この要望を聞き入れることで相手にどんなメリットがあるのか、考えてから話すようにしてみましょう。
相手にきちんと伝わる話し方は今回紹介しただけでなく、もっとさまざまな細かいポイントがあります。ぜひ本著を手に取ってチェックしてみてくださいね!
「伝え方が9割」で紹介されている、人々の心を動かし、「イエス」に導く話し方。これは一朝一夕で身につくものではなく、具体的な練習とフィードバックを通じて鍛えられます。
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